状況変化に対応!計画見直しで発揮する主体的なフォロワーシップ
プロジェクトは常に計画通りに進むとは限りません。開発中に仕様変更が発生したり、想定外の遅延が生じたり、新たな課題が見つかったりすることは珍しくありません。このような状況変化に直面した時、どのように対応すれば良いか迷ってしまうこともあるかもしれません。
指示されたタスクをこなすことに慣れている場合、計画通りに進まなくなった時に「どうすれば良いか指示がない」と立ち止まってしまうことがあるかもしれません。しかし、計画が変更になった時こそ、主体的なフォロワーシップを発揮する重要な機会となります。
本記事では、プロジェクトの状況が変化した際に、指示を待つだけでなく自ら考えて動き、チームに貢献するための計画見直しにおけるフォロワーシップについて解説します。
なぜ、状況変化への対応に主体性が必要なのか
プロジェクトの計画が変更になったり、遅延が発生したりする状況では、チーム全体が影響を受けます。あなたの担当するタスクの進捗が、他のメンバーの作業やプロジェクト全体のスケジュールに影響を与える可能性もあります。
このような状況で指示を待っているだけでは、問題が深刻化したり、チームリーダーや他のメンバーに追加の負担をかけてしまったりする可能性があります。
主体的に状況を把握し、自分なりに考えた対応策を提案することで、チームはより迅速かつ柔軟に問題に対応できるようになります。これはチーム全体の目標達成に貢献するだけでなく、あなた自身の対応力や問題解決スキルを高める貴重な機会となります。
状況変化に「気づく」ための視点を持つ
計画変更や遅延の兆候は、突然現れることもありますが、日々の業務の中にヒントがあることも多いです。状況変化にいち早く気づくためには、以下の点を意識してみましょう。
- 自分のタスクだけでなく、関連するタスクやチーム全体の状況に関心を持つ: 自分の作業がどのメンバーのタスクと関連しているのか、チーム全体の目標や現在の進捗はどうなっているのかを定期的に確認します。
- 情報共有の場を積極的に活用する: 朝会や定例会議など、チームでの情報共有の場で、他のメンバーの状況や発言に耳を傾けます。疑問に思ったことは積極的に質問してみるのも良いでしょう。
- プロジェクトに関する情報を参照する習慣をつける: 仕様書、設計書、タスク一覧(WBSなど)といったドキュメントは、現在のプロジェクトの状態を示す重要な情報源です。これらの情報を定期的に確認し、更新されている場合は内容を把握するように努めます。
これらの習慣を持つことで、計画からのずれや予期せぬ状況変化の兆候に、より早く気づくことができるようになります。
主体的に「計画を見直し、再調整」するためのステップ
状況変化に気づいたら、次に取るべき行動は計画の見直しと再調整です。指示を待つのではなく、以下のステップで主体的に進めてみましょう。
ステップ1:状況の正確な把握
何がどのように変化したのかを冷静に把握します。 * どのような仕様変更があったのか? * なぜ遅延が発生したのか? * その変化は、自分の担当タスクや関連するタスク、チーム全体にどのような影響を与えるのか?(例:期日、必要な作業量、必要なリソースなど)
不明な点があれば、関連するメンバーに確認したり、最新のドキュメントを参照したりして、正確な情報を集めます。
ステップ2:自身の対応策の検討
把握した状況を踏まえ、自分のタスクをどのように進めるのが最善か、自分なりに考えます。 * 変更内容に合わせて、自分のタスクの具体的な作業内容をどう修正するか? * 期日に間に合わせるためには、どのような作業の優先順位を変える必要があるか? * 遅延を最小限に抑えるために、他にできることはないか? * 考えられる選択肢を複数検討してみることも有効です。
ステップ3:チームへの情報共有と提案
状況把握と自身の対応策の検討ができたら、速やかにチームに共有します。単に「遅れています」「仕様が変わったのでどうすれば良いですか」と報告するだけでなく、以下の点を含めるとより主体的な貢献になります。
- 変化した状況について、自分がどのように把握しているかを正確に伝えます。
- その状況が自分のタスクに与える影響(例:完了予定日のずれ、追加作業の見込みなど)を具体的に報告します。
- それに対する自分なりの対応策の検討結果や提案を添えます。
- 例:「〇〇の仕様変更があり、私の担当タスク△△に×日程度の追加工数が見込まれます。これに対応するため、タスクの優先順位をこのように変更するか、あるいはこの部分の対応方法を少し変えるといった方法が考えられますが、チームとしてどのように進めるのが良いでしょうか?」
このように、状況報告に加えて自分なりの分析と提案を加えることで、チームでの議論がスムーズに進み、より迅速に軌道修正が行えます。これはリーダーの意思決定を助け、チーム全体の生産性向上に繋がります。
ステップ4:再決定された計画に基づき、改めて行動する
チームで話し合い、新たな方針や計画が決定したら、その内容を正確に理解し、自身のタスクリストや関連ドキュメントを更新します。必要に応じて、関連するメンバーと認識を合わせるための簡単な情報共有も行います。
そして、新たな計画に基づいて、改めて主体的にタスクに取り組みます。
計画変更を恐れないマインドセット
プロジェクトにおける計画は、あくまで現時点での最善の見込みです。外部環境や内部要因の変化によって、計画通りに進まなくなることは自然なことです。重要なのは、その変化を恐れたり隠したりせず、柔軟に対応する姿勢です。
問題や遅延は、早期に共有・相談することで、その影響を最小限に抑えることができます。「もしかしたら遅れるかもしれない」「この仕様変更は影響がありそうだ」といった懸念も、遠慮せずにチームに伝えることが、主体的なフォロワーシップの一つです。
計画変更への対応は、チームとしてより良い結果を出すための共同作業です。あなた自身がその一員として、自ら考え、提案し、行動することで、チームからの信頼を得て、さらに重要な役割を任されるようになるでしょう。
まとめ
プロジェクトの状況変化に主体的に対応することは、指示待ちから卒業し、チームに貢献するための重要なステップです。
- 自分のタスクだけでなく、チーム全体の状況に関心を持ち、変化に「気づく」視点を養いましょう。
- 変化に気づいたら、状況を正確に「把握」し、自分なりの対応策を「検討」します。
- 状況報告に加えて、自身の検討結果や「提案」を添えてチームに「共有」します。
- チームで決定された新たな計画に基づき、「行動」します。
最初から完璧な対応は難しくても、まずは目の前の小さな変化に気づき、一言チームに相談したり、自分ならどうするか考えてみたりすることから始めてみましょう。その小さな一歩が、あなたの成長とチームへの大きな貢献に繋がります。