指示を待つ「習慣」を変える!主体的に動き出すためのファーストステップ
若手ビジネスパーソン、特に社会人経験が浅い方の中には、「指示がないと、次に何をすれば良いのか分からない」「言われたことはできるけれど、それ以上の自律的な行動が難しい」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。これは決してあなた一人だけの悩みではありません。多くの人が経験する段階であり、ここから一歩踏み出すことで、仕事の面白さやチームへの貢献実感が大きく変わってきます。
この「指示待ち」の状態は、多くの場合、悪意や怠慢からくるものではなく、これまでの教育や環境、あるいは社会人としての経験不足からくる「習慣」によるものです。そして、この習慣は、意識と少しの工夫で変えることができます。
この記事では、指示を待つ習慣を主体的な行動習慣へと変えていくための「ファーストステップ」に焦点を当てます。難しく考える必要はありません。日々の業務の中で実践できる、小さく具体的な行動のヒントをお伝えします。
なぜ「指示待ち」になってしまうのか?その背景を理解する
主体的に動きたいと思っていても、なぜか指示を待ってしまう。そこにはいくつかの理由が考えられます。
- 失敗への恐れ: 自分で判断して行動した結果、間違えてしまうことを恐れている。
- 目的の不明確さ: 担当しているタスクが、チームやプロジェクト全体のどのような目標に繋がっているのか理解できていないため、次に何をすべきか判断できない。
- 情報不足: チーム全体の状況や他のメンバーの進捗が見えていないため、自分の役割や次に取るべき行動が見えにくい。
- 過去の経験: これまでの環境で、指示通りに動くことが最も安全で評価される方法だった。
- 単なる習慣: 特に深く考えているわけではなく、ルーティンとして指示を待ってしまう。
これらの背景を理解することは、指示待ちの習慣を変えるための第一歩です。自分がどの理由に当てはまるかを考えてみることから始めてみましょう。
主体的な行動とは何か?「指示がない」状態への向き合い方
ここで言う「主体的な行動」とは、何もかも一人で勝手に判断して進めることではありません。チームの一員として、与えられた指示をこなすだけでなく、チーム全体の目標達成のために「自分に何ができるか」を考え、指示を待つことなく、自ら必要な行動を取ることを指します。
これは、「指示がない時間」を「待機時間」ではなく、「チームに貢献する機会を見つける時間」と捉え直すことから始まります。
指示待ちを変える!今日から始めるファーストステップ
では、具体的にどのようなことから始めれば良いのでしょうか?大きな変化を目指す前に、まずは日々の業務の中で実践できる小さなステップから取り組んでみましょう。
ステップ1:業務の「目的」と「次」を少しだけ意識する
任されたタスクについて、「これを何のためにやっているのだろう?」「このタスクが終わったら、次に何が控えているのだろう?」と少しだけ考えてみてください。上司やリーダーに言われたからやる、ではなく、そのタスクがチームのどの目標にどう繋がるのかを意識するだけで、次の行動が見えやすくなります。
ステップ2:「報連相」に「+α」を加えてみる
報告、連絡、相談は基本です。これに、ほんの少し「+α」を加えてみましょう。例えば、
- 報告時: 「〇〇のタスクが完了しました。次は△△のタスクに着手しようと思いますが、よろしいでしょうか?」のように、次の行動案を添える。
- 相談時: 「〇〇について詰まっています。資料を探したのですが見つかりませんでした。考えられる次のアプローチとして、詳しい△△さんに聞く、または関連書籍を調べる、のどちらが良いか、ご意見をいただけますでしょうか?」のように、自分なりの仮説や選択肢を提示する。
完璧な案である必要はありません。「自分はここまで考えた」という姿勢を見せることが重要です。これにより、次の指示が明確になったり、「それならこうしてみよう」と新たな視点を得られたりします。
ステップ3:タスク完了後の「次の一手」を自分なりに考えてみる
目の前のタスクが終わったとき、すぐに「次に何をすべきですか?」と聞くのではなく、数分で構いませんので、「このタスクの結果を受けて、チームにとって次に必要なことは何だろう?」と考えてみましょう。
- この情報は誰かに共有すべきか?
- 関連する別のタスクは何か?
- 今回の結果から何か改善できることはないか?
といった視点で考える癖をつけるのです。自分で考えた仮説を持ってから上司やチームメンバーに確認することで、「考える力」が養われます。
ステップ4:チームの「小さな困りごと」に目を向けてみる
自分のタスクだけでなく、少し視野を広げてチーム内を見回してみましょう。
- 誰か探し物をしているメンバーはいないか?
- 共通で使うファイルや情報が整理されていない場所はないか?
- 簡単な定型作業で困っている人はいないか?
すぐに解決できそうな小さな困りごとを見つけたら、「〇〇さん、それでしたらこの資料が使えませんか?」「このファイル、少し整理しましょうか?」など、声をかけてみる、行動してみる。これは立派なチームへの貢献であり、主体性の発揮です。
ステップ5:考えたことを「言葉にする」練習をする
頭の中で「こうしたら良いかも」「これはどうなっているんだろう?」と考えたことを、会議で発言したり、チャットで質問・提案したりと、言葉にして外に出す練習をしましょう。最初は簡単な確認や質問からで構いません。自分の考えや疑問をアウトプットすることで、チームとのコミュニケーションが生まれ、次の主体的な行動に繋がりやすくなります。
失敗を恐れず、小さく挑戦し続ける
主体的に動き出す上で、失敗への恐れは多くの人が抱く感情です。しかし、完璧を目指す必要はありません。最初から大きな成功を収めようとするのではなく、まずは今日お伝えしたような「小さな一歩」から始めてみてください。そして、もし上手くいかなくても、それは失敗ではなく「学びの機会」と捉えましょう。なぜ上手くいかなかったのかを考え、次に活かせば良いのです。
まとめ:主体性は「習慣」で作られる
指示を待つ習慣を主体的な行動習慣に変えることは、一朝一夕にはできません。しかし、日々の業務の中で「目的を意識する」「+αを考える」「次の一手を考える」「チームを見る」「言葉にする」といった小さなステップを意識し、実践することで、確実に変化は生まれます。
主体性は、特別な才能ではなく、日々の「習慣」によって身につけられるスキルです。まずは、この記事で紹介した中から、自分にとって最も取り組みやすそうなステップを一つ選び、今日から実践してみてください。その小さな一歩が、あなたの働きがいを増やし、チームへの貢献度を高めることに繋がるはずです。
行動することで見えてくる景色があります。指示待ちから卒業し、主体的なフォロワーシップを実践する最初の一歩を、ここから踏み出しましょう。