主体性はじめの一歩

「意見を言う」だけじゃない。建設的な議論に貢献するフォロワーシップ実践法

Tags: フォロワーシップ, 主体性, コミュニケーション, 会議, チームワーク

チームの議論にどう貢献すれば良いか分からないと感じていませんか

チームで仕事を進める上で、会議や打ち合わせは非常に重要な場です。情報共有や問題解決、意思決定など、様々な目的で議論が行われます。しかし、特に経験が浅い場合、「何を話せば良いか分からない」「自分の意見を言うのが怖い」「議論が白熱するとどう関われば良いか戸惑う」といったように、議論への参加に難しさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

言われたことだけをこなすのではなく、チーム全体の成果に貢献したい。そう考えるあなたにとって、議論の場で主体的に関わることは、フォロワーシップを発揮する絶好の機会となります。単に「自分の意見を言う」ことだけが貢献ではありません。建設的な意見交換を促し、チームの知恵を引き出す関わり方もまた、重要なフォロワーシップの一つです。

この記事では、チームの議論に主体的に貢献するための具体的なステップと、今日から実践できるヒントをご紹介します。指示待ちから一歩進み、チームの一員として議論をより良いものにするための方法を一緒に見ていきましょう。

議論の場におけるフォロワーシップとは

フォロワーシップは、リーダーを「正しくフォロー」することで、チーム全体の目標達成に貢献する主体的な姿勢を指します。議論の場におけるフォロワーシップとは、単に静かに聞いていることでも、あるいはただ自分の意見を主張することでもありません。

このような行動を通じて、議論の質を高め、チームとしての成果に貢献する姿勢が、議論の場でのフォロワーシップです。

建設的な意見交換に貢献するための具体的なステップ

では、具体的にどのように議論に関われば良いのでしょうか。ここでは、初心者の方でも取り組みやすいステップをご紹介します。

ステップ1: 議論のテーマについて事前に考え、論点を整理する

指示を待つのではなく、会議の案内やアジェンダが共有されたら、事前に目を通しましょう。何が議論されるのか、その背景や目的は何なのかを理解しようと努めます。

そして、「自分ならどう考えるか」「どのような情報が必要か」「懸念されることはないか」など、自分なりの考えや疑問点を整理しておきます。完璧な答えを出す必要はありません。この「事前に考える」というプロセス自体が、主体性を持って議論に臨むための大切な準備となります。

ステップ2: 他のメンバーの意見に丁寧に耳を傾ける

議論が始まったら、まずは聞くことに集中しましょう。他のメンバーがどのような意図で発言しているのか、どのような背景や情報に基づいているのかを理解しようと努めます。

相手の意見を頭ごなしに否定したり、反論を考えながら聞いたりするのではなく、まずは「受け止める」姿勢が大切です。相槌を打つ、メモを取るなど、聞いていることを示す非言語的な行動も有効です。

ステップ3: 不明点や確認したい点を質問する

他のメンバーの発言を聞いて、分からない点や、もう少し詳しく知りたい点があれば、積極的に質問してみましょう。質問は、「理解しようとしている」という主体的な姿勢の表れです。

また、質問は自分自身の理解を助けるだけでなく、他のメンバーにとっても新たな気づきを与えたり、議論の焦点を明確にしたりする効果があります。「~ということでしょうか」「それは具体的にどういう状況を想定していますか」といった、相手の発言内容を確認・深掘りする質問は、建設的な議論を促します。

ステップ4: 自分の考えや情報を簡潔に伝える

事前に考えたことや、議論を聞いて生まれた意見、あるいは関連する情報などがあれば、適切なタイミングで発言してみましょう。自分の意見を言う際は、結論から先に述べ、その理由や根拠を簡潔に添えるように意識すると、相手に伝わりやすくなります。

「まだ考えがまとまっていませんが」「~という視点もあるかもしれません」のように、完璧でなくても良いというスタンスを示すことも、発言のハードルを下げる方法です。

ステップ5: 異なる意見の「橋渡し」や「整理」を試みる

議論が進む中で、意見が分かれることもあります。そのような時に、それぞれの意見の共通点を見つけたり、「つまり、Aさんはこのように考えていて、Bさんはその点について△△という懸念があるということですね」のように、議論の状況を整理して言葉にしたりする役割は、非常にチームに貢献します。

対立を煽るのではなく、互いの意見を理解し合う手助けをすることで、より円滑な議論と合意形成に繋がります。

ステップ6: 議論の着地点や次のアクションを確認する

議論が終盤に近づいたら、「この議論の結論は何になりそうか」「次に誰が何をすれば良いか」といった点に関心を持ちましょう。曖昧なまま議論が終わってしまうと、その後の行動に繋がりません。

必要であれば、「この点については、~という理解で合っていますか」「この件は、次回の会議までに〇〇さんが△△をすることになるのでしょうか」のように、議論の着地点や決定事項、次のアクションを確認する発言をしてみましょう。これは、議論の成果を確実にするための重要な貢献です。

実践のためのヒント

まとめ

チームの議論に主体的に貢献することは、指示待ちの姿勢から抜け出し、フォロワーシップを発揮するための有効な方法の一つです。単に発言するだけでなく、事前に準備し、丁寧に耳を傾け、建設的な質問や意見の整理を通じて、チームのより良い意思決定や問題解決に貢献することができます。

最初からすべてを完璧にこなす必要はありません。まずは、今日の会議で他のメンバーの発言をいつもより意識して聞いてみる、一つ質問をしてみる、といった小さな一歩から始めてみましょう。あなたの主体的な関わりは、必ずチームの力となり、あなた自身の成長にも繋がるはずです。