「これ知ってる?」を共有!日常の学びや気づきで発揮するフォロワーシップ
はじめに
日々の業務で、あなたは新しい情報や効率的な方法を発見したり、ふと疑問に思ったことの答えを見つけたりすることがあるのではないでしょうか。しかし、「これは自分だけの学びかな」「わざわざ共有することでもないか」と考え、そのまま自分の中に留めていることもあるかもしれません。
指示されたタスクを正確にこなすことはもちろん重要ですが、それに加えて、あなたが見つけた小さな「これ知ってる?」をチームに共有することも、立派なフォロワーシップであり、チームへの貢献に繋がります。本記事では、日常の学びや気づきを積極的に共有することがなぜ重要なのか、そしてどのように実践すれば良いのかを具体的にご紹介します。
なぜ日常の学びや気づきを共有することが重要なのか
あなたが業務中に得た小さな学びや気づきは、他のチームメンバーにとっても役立つ貴重な情報である可能性があります。それを共有することには、いくつかの重要なメリットがあります。
1. チーム全体の知識レベル向上と非効率の回避
あなたが解決に時間のかかったエラーや、見つけた便利なショートカットキーなど、他のメンバーも同じ課題に直面したり、非効率な方法で作業していたりするかもしれません。あなたの共有によって、チーム全体の知識レベルが上がり、無駄な時間や労力を削減できます。
2. コミュニケーションの活性化
情報共有は、単に知識を伝達するだけでなく、チーム内のコミュニケーションを活性化させます。あなたの発信がきっかけで会話が生まれたり、他のメンバーからの追加情報や質問が出たりすることで、新たな視点やアイデアが生まれることもあります。
3. 自身の学びの定着と深化
他者に説明することを前提に情報を整理したり、共有した情報について質問を受けたりすることで、あなた自身の理解が深まります。また、共有した情報に対してフィードバックを得ることで、さらに学びを広げる機会にもなります。
4. 自身の信頼獲得と貢献実感
積極的な情報共有は、チームメンバーからの信頼に繋がります。「〇〇さんに聞けば最新の情報を持っている」「いつも役立つ情報を教えてくれる」といった信頼は、あなたの存在価値を高め、チームへの貢献を実感することにも繋がります。
どんな「学びや気づき」を共有すれば良いのか
大げさな発見である必要はありません。日々の業務で見つけた「これ知ってる?」レベルのもので十分です。例えば以下のようなものが考えられます。
- エラー解決方法: 開発中に遭遇したエラーとその解決策、調査プロセス。
- 便利なツール・コマンド: 業務効率が上がるエディタの機能、コマンドラインツールの使い方。
- 効率化テクニック: 定型作業を自動化するスクリプト、ファイル整理の方法。
- 仕様や設計に関する発見: ドキュメントにはない挙動、隠れた機能、設計の意図に関する考察。
- 会議や顧客とのやり取りからの学び: 議事録には残らない会話のニュアンス、顧客の真のニーズに関する気づき。
- 読んだ記事や書籍からの学び: 業務に関連する新しい技術や知識、考え方。
重要なのは、「もしかしたら他の人も知らないかも」「役に立つかも」という視点を持つことです。
具体的な共有方法:小さな一歩から始める
情報共有と聞くと、勉強会や発表会のような大々的なものを想像するかもしれませんが、日常的な共有はもっと手軽に始められます。
1. チームチャットでの共有
最も手軽な方法です。 「〇〇について調べていたら、△△という便利なツールを見つけました。知ってましたか?こういう場合に役立ちそうです [ツールのリンク]」 「昨日出たエラー、原因はXXでした。同じ状況になったらZZを試してみてください」 といった形で、気軽に情報やリンクを共有します。疑問形にすることで、他のメンバーが反応しやすくなる効果もあります。
2. 日報や週報への一言追加
普段提出している日報や週報に、その日/週の小さな学びや気づきを一行添えてみるのも良いでしょう。 「本日の業務:A機能開発。XXというライブラリの△△メソッドが便利だと気づき、実装時間を短縮できました。」 「今週の学び:ZZに関する記事を読み、サービスへの応用可能性を感じました。」 チームメンバーが斜め読みするだけでも、情報の断片が共有されます。
3. ドキュメントへの追記・更新
チーム内で共有しているWikiやドキュメントに、補足情報や新しい知見を追記します。 「〇〇機能のドキュメントに、最近よくある質問とその回答を追記しました。」 「ZDBに関するトラブルシューティングに、昨日対応したエラーの解決策を追加しました。」 後から参照可能な形で情報が蓄積されるため、非常に有用です。
4. 短時間の情報共有タイム
朝会や夕会などの短い時間に、「今日/今週の学び」として一人1分程度話す機会を設けてもらう、あるいは自主的に提案してみるのも良いかもしれません。定期的な習慣にすることで、情報共有が促進されます。
共有する際のポイント
効果的な情報共有を行うためには、いくつか意識したいポイントがあります。
- 簡潔に: 長文になりすぎず、要点をまとめて伝えます。忙しいメンバーでもサッと読めるように工夫します。
- 関連性: 可能であれば、今チームが取り組んでいることや、メンバーが関心を持ちそうな内容に関連づけます。
- 分かりやすく: 専門用語は避け、平易な言葉で説明するか、具体的な例を添えます。
- 一方的にならない: 情報を「投げっぱなし」にせず、質問には丁寧に回答する、他の意見も聞く姿勢を持つことが大切です。チャットであれば、他の会話の邪魔にならないよう配慮します。
- 謙虚さを持つ: 「私はこう思いますが、皆さんはどう考えますか?」といった、他の意見も歓迎する姿勢を示すと、より建設的なコミュニケーションに繋がります。
まとめ
日常の「これ知ってる?」という小さな学びや気づきをチームに共有することは、主体的なフォロワーシップを発揮し、チームへ貢献するための身近な一歩です。それは、チーム全体の知識向上、コミュニケーション活性化、そしてあなた自身の成長に繋がります。
大掛かりな準備は必要ありません。まずは、チームチャットで「これ便利でした」「こんな情報を見つけました」と一言共有してみることから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなた自身の働き方、そしてチームのあり方を変えていくきっかけになるはずです。今日から、あなたの「学び」をオープンにしてみましょう。