業務の『振り返り』を習慣に!主体的な成長を加速するフォロワーシップ
「指示されたことはきちんとこなせるものの、その次に何をすれば良いか分からない」「もっと積極的にチームに貢献したいけれど、どう動けば良いか見当がつかない」
もしあなたが、日々の業務の中でこのような課題を感じているのであれば、「振り返り」を習慣にすることをお勧めします。振り返りは、単に過去の出来事を思い返すだけではありません。主体的に自分の業務を見つめ直し、次に取るべき行動を明らかにするための強力なツールです。
この「振り返り」の習慣を身につけることは、指示待ちの姿勢から脱却し、自らの成長を加速させ、結果としてチームへの貢献、すなわち主体的なフォロワーシップの実践に繋がります。
なぜ「振り返り」が主体性やフォロワーシップに繋がるのか
業務の振り返りを行うことは、自分自身の働き方を客観的に捉え、より良くするための気づきを得る機会となります。
- 自己認識の向上: どのような状況でうまく行動できたか、あるいは難しさを感じたかを具体的に把握できます。
- 成功・失敗要因の分析: なぜその結果になったのか、原因を深く掘り下げて考えることで、本質的な課題や成功パターンが見えてきます。
- 具体的な改善策や応用策の発見: 分析結果をもとに、「次回はこうしてみよう」「このやり方は別のタスクでも使えるな」といった、具体的なネクストアクションを見つけることができます。
- 自律的な学びのサイクルの構築: 自分で課題を見つけ、解決策を考え、実行し、その結果を再び振り返るというサイクルを回すことで、指示を待たずに自ら学び成長する力が養われます。
- チームへの貢献: 振り返りを通じて得た学びや気づきをチーム内で共有することで、他のメンバーの参考になったり、チーム全体の課題解決に繋がったりします。これは、まさに主体的なフォロワーシップの実践です。
日々の「振り返り」を習慣にする具体的な方法
大げさな準備は不要です。まずは小さな一歩から始めてみましょう。
1. 振り返りのタイミングを決める
毎日、タスク完了後、週の終わりなど、自分にとって無理なく続けられるタイミングを設定します。例えば、終業前に5〜10分だけ時間を取る、一つの区切りの良いタスクが終わったら簡単なメモを残す、といった方法があります。
2. 振り返りの観点を持つ
漠然と「今日どうだったか」を考えるのではなく、いくつかの観点を持つと効果的です。最初は以下の3つの観点から始めてみるのがお勧めです。
- うまくいったこと/良かったこと:
- 今日、特にスムーズに進んだタスクは?
- 自分の行動で良い結果に繋がったことは?
- 周りの人に感謝したいことは?
- (ポジティブな側面に目を向けることで、自己肯定感を高めます)
- 課題だったこと/改善したいこと:
- 時間がかかりすぎたタスクは?それはなぜ?
- 想定外のトラブルはあったか?どう対応した?
- もっとうまくできたかもしれない点は?
- (課題を特定し、改善の糸口を見つけます)
- 学んだこと/次に活かしたいこと:
- 新しく知った技術や知識は?
- この経験から次に活かせる教訓は?
- 明日、具体的にどう行動を変えてみる?
- (学びを言語化し、未来の行動に繋げます)
3. シンプルな方法で記録する
ノートに手書きする、PCのメモ帳やテキストファイルに書き出す、ToDoリストツールの備考欄に残すなど、自分が最も手軽に使える方法を選びます。完璧を目指さず、まずは短い箇条書きでも十分です。
例えば、今日の振り返りとして…
- うまくいったこと:
- 新しいフレームワークでの簡単な機能実装がスムーズだった。公式ドキュメントを最初にしっかり読んだのが良かった。
- 課題だったこと:
- ○○機能のデバッグに時間がかかった。エラーメッセージをよく読まずに試行錯誤してしまった。
- 学んだこと/次に活かしたいこと:
- デバッグ時はまずエラーメッセージの内容を正確に理解することが重要。次回はまずエラー内容をググる習慣をつける。
- 新しい技術に取り組む前は、簡単なチュートリアルやドキュメント概要に目を通す時間を作ろう。
このように、具体的な事実、その要因、そして次に取るべき行動をセットで記録することがポイントです。
振り返りの結果を主体的な行動に繋げる
振り返りで得た気づきは、記録するだけでなく、実際の行動に繋げてこそ意味があります。
- 自分の次の行動計画を立てる: 「次回はこうする」と決めたことを、具体的なアクションリストに落とし込みます。
- 学んだことをチームに共有する: ミーティングで「この前〇〇で躓いたのですが、△△の方法で解決できました」と共有したり、簡単な知見をチャットツールに投稿したりします。これは、チーム全体の知識レベル向上に貢献するフォロワーシップです。
- 改善提案につなげる: 繰り返し発生する課題に気づいたら、その原因と改善策をまとめ、上司やチームメンバーに提案してみることも、主体性の表れです。
- 上司との対話に活用する: 振り返りで明確になった自分の課題や成長実感について、1on1などの機会に上司と共有することで、より適切なアドバイスやサポートを得やすくなります。
まとめ:振り返りは主体的な成長への羅針盤
日々の「振り返り」は、指示を待つのではなく、自らの意思で学び、成長し、チームに貢献するための羅針盤となります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、習慣化することで、自分がどのように成長しているのか、次に何をすべきなのかが明確になり、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。
小さなことから始めて、一歩ずつ「振り返り」を日々の業務に取り入れてみてください。それが、指示待ちから卒業し、主体的なビジネスパーソンへと成長するための確かな一歩となるはずです。そして、その主体的な行動は、必ずチームへの貢献、すなわち主体的なフォロワーシップの実践に繋がっていくでしょう。