自分の成長がチーム貢献に!日々の業務で発揮するフォロワーシップ
若手ビジネスパーソンの皆様は、日々の業務を通じて成長したい、そしてチームに貢献したいと考えていらっしゃるのではないでしょうか。しかし、目の前のタスクをこなすことに精一杯で、自身の成長がどのようにチームの目標達成に繋がるのか、あるいはチームへの貢献機会をどう見つけるのか、具体的にイメージしにくいと感じることもあるかもしれません。
本記事では、日々の業務の中に自身の成長機会を見出し、それをチームへの具体的な貢献に繋げるための主体的なフォロワーシップの実践方法についてご紹介します。指示待ちから一歩踏み出し、自身の成長をチームの力に変えていくためのヒントとして、ぜひご一読ください。
なぜ「自分の成長」と「チーム貢献」を結びつける視点が必要なのか
指示された業務を正確に、期日内に完了させることはビジネスパーソンとして重要です。しかし、それだけでは自身の能力の伸びや、チーム全体への貢献実感が得られにくい場合があります。
主体的なフォロワーシップとは、リーダーを補佐し、チーム全体の目標達成に貢献しようとする自律的な姿勢です。自身の成長という視点を加えることで、単に指示を待つのではなく、「この業務を通じて何を学び、その学びをどうチームに活かせるか」と考えるようになります。
これは、自身のキャリア形成に繋がるだけでなく、チームにとっては新しい視点や能力が加わることになり、結果としてチーム全体のパフォーマンス向上に貢献できるWin-Winの関係を築くことにつながります。
日々の業務で成長と貢献を意識するステップ
では、具体的にどのように日々の業務で自身の成長とチーム貢献を結びつけていけば良いのでしょうか。いくつかのステップで考えてみましょう。
ステップ1:自身の興味・関心と伸ばしたいスキルを明確にする
まずは、ご自身の現状のスキルや知識を振り返ってみましょう。
- どのような業務に面白みを感じるか
- 今後どのような分野の知識やスキルを習得したいか
- どのような役割に挑戦してみたいか
これらを整理することで、日々の業務の中で「成長の種」となる部分が見えやすくなります。漠然と「成長したい」と考えるのではなく、具体的な方向性を持つことが第一歩です。
ステップ2:チームの目標・現状の課題を理解する
次に、ご自身の属するチームがどのような目標を目指しているのか、現在どのような課題に直面しているのかを把握しましょう。
- チームやプロジェクトの最終的なゴールは何か
- 目標達成に向けて、現在ボトルネックとなっていることは何か
- チームメンバーがどのようなことで困っているか
チームの目標や課題を理解することで、ご自身の成長の方向性がチームのニーズと合致する部分を見つけやすくなります。
ステップ3:自身の成長目標とチームの課題を結びつける
ステップ1とステップ2で明確にした自身の成長目標とチームの課題を結びつけて考えます。
例えば、「新しいプログラミング言語Xを習得したい」という成長目標があるとします。チームの課題として「既存システムの保守に工数がかかっているが、新しいシステムは言語Yで開発されており、言語Xの知見がチーム内に少ない」という状況があったとします。
この場合、直接的な関連はないように見えます。しかし、「システム開発や保守の効率化に関する知見を深めたい」というより広い成長目標であれば、「既存システムの保守効率化」というチーム課題と結びつけることができます。あるいは、「新しい技術へのキャッチアップ能力を高めたい」という成長目標であれば、言語Yに関する学習を通じてチームに貢献できる可能性を探ることもできます。
このように、自身の関心や目標を、チームの文脈と照らし合わせながら柔軟に考えることが重要です。
ステップ4:日々のタスクに「成長の視点」を加える
割り振られた日々のタスクを、単なる消化作業としてではなく、「成長の機会」として捉え直します。
- タスクの背景や目的を深く理解する: なぜこのタスクが必要なのか、完了するとどうなるのかを理解することで、タスクの持つ意味合いが変わり、学びの意識が高まります。
- より良い方法はないか考える: 指示された手順だけでなく、効率的・効果的な進め方がないか、調べたり試したりしてみます。新しいツールや技術の適用可能性を検討することも含まれます。
- 関連知識を深める: タスクで使用する技術や業務知識について、さらに一歩踏み込んで関連情報を調べたり、公式ドキュメントを読んだりします。
- 成果物の質を高める工夫: 要求された仕様を満たすだけでなく、後工程での手戻りを減らすための配慮や、他の人が理解しやすいドキュメント作成を心がけるなど、付加価値をつける意識を持ちます。
このように、目の前のタスクを「自身のスキルアップのための実践の場」と捉えることで、一つ一つの業務から得られる学びが格段に増えます。
ステップ5:学んだこと、気づきをチームに共有する
ステップ4で得られた学びや気づきを、積極的にチームに共有しましょう。これが自身の成長をチームへの貢献に繋げる具体的なアクションとなります。
- 報連相に一言添える: タスク完了報告の際に、「この作業を通じて〇〇という知見が得られました」「△△という点で効率化できるかもしれません」といった学びや提案を加えて伝えます。
- 簡単なドキュメントやメモを作成・共有する: 調査した内容や新しい知見について、チーム内で共有可能な形式(チャット、Confluence、Wikiなど)で共有します。
- チーム内の勉強会や情報交換の場で発信する: 定期的なミーティングや非公式な場で、自身の取り組みや学びを発表します。
ご自身の成長のために取り組んだことが、チーム全体の知識底上げや課題解決のヒントとなる可能性があります。発信することで、チームメンバーからのフィードバックを得たり、さらに議論を深めたりすることも可能です。
実践を続ける上でのポイント
このサイクルを継続するためには、以下の点を意識すると良いでしょう。
- 完璧を目指さない: 最初から大きな成果や完璧な共有を目標にする必要はありません。小さな学びや気づきから共有を始めてみましょう。
- 上司や先輩に相談・共有する: 自身の成長目標や、業務を通じて得られた知見について、適切なタイミングで上司や先輩に相談・共有することは、方向性の確認やフィードバックを得る上で重要です。一方的な行動にならないよう、チームとの連携を意識しましょう。
- 失敗を恐れない: 新しい試みには失敗がつきものです。失敗から何を学び、次にどう活かすかを考え、前向きに取り組む姿勢が大切です。
- フィードバックを求める: 共有した情報や成果物について、チームメンバーにフィードバックを求めてみましょう。これは自身の成長に繋がるだけでなく、チーム内のコミュニケーション活性化にも繋がります。
まとめ
日々の業務は、単に指示をこなすための時間ではなく、自身のスキルや知識を磨き、成長を実感するための貴重な機会です。そして、その成長の過程や得られた知見をチームに還元することで、自身の成長がチーム全体の力となり、具体的な貢献へと繋がります。
自身の興味・関心とチームの目標・課題を結びつけ、日々のタスクに成長の視点を加えること。そして、そこから得られた学びや気づきを積極的にチームに共有すること。このサイクルを回していくことが、指示待ちから卒業し、主体的なフォロワーシップを発揮しながら自身のキャリアを切り拓いていくための鍵となります。
今日から、目の前の業務の中に「自身の成長」と「チーム貢献」を結びつけるヒントを探してみてはいかがでしょうか。小さな一歩から、着実に主体性を発揮し、チームにとって欠かせない存在へと成長していけるはずです。