主体性はじめの一歩

言われた業務から『学び』を見つけ出す。主体的なフォロワーシップで成長を加速する方法

Tags: 主体性, フォロワーシップ, 学び, 成長, チーム貢献

社会人として仕事に取り組む中で、上司や先輩からの指示を受けてタスクを遂行する機会は非常に多いでしょう。指示通りに正確にタスクを完了させることは、ビジネスの基本であり、非常に重要なスキルです。

しかし、「言われたことだけをこなす」という状態が続くと、ある段階から自身の成長が鈍化しているように感じたり、業務に対するモチベーションを維持しにくくなったりすることがあります。それは、単に「タスクをこなす」ことと、「タスクから学びを得る」ことの間には大きな違いがあるためです。

指示された業務から主体的に学びを見つけ出すことは、自身の成長を加速させるだけでなく、チーム全体の知識や成果に貢献することにも繋がります。これこそが、受け身ではない「主体的なフォロワーシップ」の一つの形と言えるでしょう。

この記事では、日々の業務の中からどのように学びを見つけ出し、それを自身の成長とチームへの貢献に繋げていくか、その具体的なステップと考え方についてご紹介します。

なぜ、指示された業務から「学び」を見つける必要があるのか?

単に指示をこなすだけでなく、そこから学びを得る姿勢が重要な理由はいくつかあります。

日々の業務から「学び」を見つけ出す具体的なステップ

では、具体的にどのようにすれば、指示された業務から学びを最大化できるのでしょうか。ここでは、実践しやすい4つのステップをご紹介します。

ステップ1:指示の「背景」と「目的」を深く理解する

タスクの指示を受けたら、単に作業内容を聞くだけでなく、その背景や目的について理解を深めるよう努めましょう。

このような問いを自分自身に投げかけたり、必要であれば指示者に質問したりすることで、タスクが持つ意味や価値を理解することができます。目的が分かると、単なる作業ではなく、「何のために、どのような結果を目指して取り組むのか」という意識が生まれ、主体的に品質を高めよう、効率を上げようという意欲に繋がります。これは、以前の記事でも触れた「報連相+α」の考え方とも通じます。

ステップ2:タスク遂行プロセスを「観察」し、振り返る

タスクを実行している最中や完了後に、自身の行動やその結果を客観的に観察し、振り返る習慣を持ちましょう。

このようにプロセスを分解し、自身の思考や行動、外部要因などを振り返ることで、うまくいった点、改善が必要な点、新しい知識などを具体的に洗い出すことができます。特に、エラーや失敗が発生した際には、それを単なる「失敗」として片付けるのではなく、「なぜ起きたのか?」「どうすれば防げたのか?」を深く探求することで、大きな学びを得ることができます。

ステップ3:得られた「情報」や「経験」から示唆を見出す

ステップ1と2で得られた背景情報、目的、そして自身の経験(うまくいったこと、失敗したこと、気づき)を総合して、そこから汎用的な「学び」や「示唆」を見出すことを意識しましょう。

これは、個別の「点」の情報を、「線」や「面」として捉え直す作業です。例えば、特定の技術調査を通じて「〇〇という情報の調べ方のコツ」を掴んだとすれば、それは他の技術調査にも応用できる学びとなります。クライアントへの報告書作成で手戻りがあった経験から、「確認すべき重要事項のチェックリスト」を作成するとすれば、それは今後の報告書作成全体の効率化に繋がる学びとなります。

ステップ4:見出した「学び」を記録し、共有する

見つけ出した学びは、頭の中に留めておくだけでは忘れ去られてしまう可能性があります。また、学びを自分だけのものにせず、チーム内で共有することで、その価値は飛躍的に高まります。

学びを共有する行為は、チーム全体の知見向上に貢献するだけでなく、「自分もチームに貢献できている」という実感を得る機会にもなります。これは、フォロワーシップを発揮する上での重要なモチベーションとなり得ます。

主体的なフォロワーシップと「業務からの学び」の繋がり

これらの「業務から学びを見つけ出す」ステップは、そのまま主体的なフォロワーシップの実践に繋がります。

これら全ての行動は、指示を待つだけでなく、チームの一員として能動的に関わり、貢献しようとするフォロワーシップの現れなのです。

まとめ

指示されたタスクを正確にこなすことは、確かに重要です。しかし、そこに「この業務から何を学べるだろう?」という主体的な視点を加えることで、日々のルーチンワークが自身の成長機会へと変わります。

指示の背景理解、プロセス観察、学びの抽出、そして共有というステップを意識することで、あなたは単なる作業者としてではなく、常に学び、成長し続ける貢献者へと進化していくことができます。

今日から、次に指示されたタスクに対して、「これはどんな学びの機会だろう?」と考えてみてはいかがでしょうか。その小さな意識の変化が、あなたの成長を加速させ、チームへの貢献度を高める大きな一歩となるはずです。