主体性はじめの一歩

「言われたまま」を卒業!成果物の質を高める主体的なフォロワーシップの実践

Tags: 主体性, フォロワーシップ, 品質向上, 業務改善, 若手社員

はじめに

日々、上司やチームリーダーから様々な業務の指示を受けていることと思います。指示された内容を正確に理解し、納期通りにタスクを完了させることは、ビジネスパーソンとしての基本的な能力であり、もちろん非常に重要です。

しかし、「言われたまま」にタスクをこなすことに慣れてしまうと、それ以上の価値を生み出す機会を見過ごしてしまうことがあります。特に、成果物の「品質」という側面において、言われたことを正確に実現するだけでなく、さらに一歩踏み込んで関わることで、チームやプロジェクトへの貢献度を大きく高めることができるのです。

本記事では、「言われたまま」の状態から抜け出し、成果物の質向上に主体的に関わるためのフォロワーシップの実践方法について、具体的なステップを交えて解説します。どうすれば成果物の品質向上に貢献できるのか、そのヒントを見つけていただければ幸いです。

なぜ成果物の品質向上に主体性が重要なのか

あなたが担当するタスクは、プロジェクト全体の一部であり、あなたの成果物は他のメンバーの作業の基盤になったり、顧客に提供されたりします。一つ一つの成果物の品質が高いことは、チーム全体の効率を高め、手戻りを減らし、最終的なプロジェクトの成功や顧客満足度に直結します。

指示された範囲内での品質を達成することは基本ですが、さらに「どうすればもっと良くなるか」「他に考慮すべき点はないか」といった視点を主体的に持つことは、フォロワーシップを発揮する重要な機会です。これは、単に「言われたことをやる人」から、「チームの成果に貢献できる人」へとステップアップすることを意味します。

主体的に品質に関わることで、あなたは自身の成長を促し、チームからの信頼を得て、より大きな責任ややりがいのある仕事に繋がる可能性も広がります。

「言われたまま」から品質への主体的関わりへ

では、「言われたまま」の状態から、成果物の品質向上に主体的に関わるためには、具体的にどのような行動が考えられるでしょうか。ここでは、タスクの進行段階に沿って、実践可能なステップをご紹介します。

ステップ1:指示の「意図」と「期待値」を深く理解する

タスクの指示を受けた際、単に「何をやるか」だけでなく、「なぜそのタスクが必要なのか」「この成果物がどのように使われるのか」「どのような状態になれば合格点なのか」といった、指示の背景にある意図や、作成者・利用者が期待するレベル(期待値)を深く理解しようと努めることが第一歩です。

単に「〇〇を作成してください」という指示に対して、「はい、承知いたしました」と答えるだけでなく、「この〇〇は、その後の△△の工程で使用するのですね。△△の担当者が作業しやすいように、特定の形式で作成するべきでしょうか?」のように、一歩踏み込んだ質問をすることで、成果物に求められる本質的な要件や品質レベルが見えてきます。

ステップ2:タスク実行中の「気づき」を価値に変える

タスクを進めていると、指示通りに進める中で「こうすればもっと効率的かもしれない」「別の方法の方が良い結果になるのではないか」「このままだと後で問題が発生する可能性がある」といった様々な気づきがあるかもしれません。これらの気づきを単なる雑念として流してしまうのではなく、成果物の品質向上のための情報として捉え直すことが重要です。

主体的なフォロワーシップは、常に正解を提案することと同義ではありません。気づいた点をチームに共有し、共に最適な解を見つけようとする姿勢そのものが価値となります。これにより、手戻りを防いだり、より高品質な成果物へと繋げたりすることが可能になります。

ステップ3:完成前の「自己レビュー」を徹底する

タスクがほぼ完了した段階で、「言われた通りにできたか」だけでなく、「求められる品質を満たしているか」という観点から、自身の成果物を客観的にレビューする習慣をつけましょう。これは、上司やレビュアーに提出する前に、自身で品質を保証するための重要なステップです。

この自己レビューのプロセスを経ることで、提出物の品質は格段に向上します。これは、受け取る側の負担を減らし、あなた自身への信頼を高めることに繋がります。

ステップ4:納品時に「+αの提案」を加える

成果物を提出する際、単に「完成しました」と報告するだけでなく、タスクを通じて得られた気づきや、関連情報、今後の改善に向けた提案などを「+α」として付け加えることで、あなたの貢献意識を示すことができます。

この「+α」の姿勢は、あなたが単に指示をこなすだけでなく、チームやプロジェクト全体の成功に対して意識を向け、主体的に貢献しようとしていることの表れです。

ステップ5:フィードバックを「次への学び」に変える

成果物に対してフィードバックをもらった際は、それを素直に受け止め、自身の成長や次のタスクでの品質向上に活かすことがフォロワーシップの実践です。改善点だけでなく、良かった点についても理解を深めましょう。

フィードバックは、あなたの成果物をより良くするための重要な機会です。これを建設的に活用することで、あなたは継続的に品質を高める能力を養うことができます。

まとめ

「言われたまま」にタスクをこなすことから一歩進み、成果物の品質向上に主体的に関わることは、若手ビジネスパーソンがフォロワーシップを発揮し、チームに貢献するための非常に効果的な方法です。

ご紹介したステップは、どれも今日から意識したり、実践したりできるものばかりです。指示の意図を深く理解することから始め、タスク遂行中の気づきを大切にし、自己レビューで品質を確認し、そして「+α」の提案を加えていく。この一連のプロセスを意識するだけで、あなたの仕事の質は確実に向上するでしょう。

成果物の品質に主体的に関わることは、あなた自身の成長はもちろん、チーム全体の成功に繋がります。恐れずに一歩踏み出し、あなたの能力を最大限に活かしてください。主体的なフォロワーシップを通じて、チームに欠かせない存在へと成長していくことを応援しています。