完了したタスクの次に何をする?チーム貢献に繋がるフォロワーシップの実践
タスク完了後、「次は何をすれば良いですか?」と聞いていませんか?
日々の業務、お疲れ様です。与えられたタスクを正確に、納期通りに完了させることは、ビジネスパーソンとして非常に重要なスキルです。しかし、タスクが一つ終わった後、「次は何をすれば良いですか?」と、すぐに上司やリーダーに指示を仰ぐ習慣がついていないでしょうか。
指示通りに動けることはもちろん素晴らしいことですが、常に指示を待つ姿勢では、自身の成長機会を限定してしまう可能性があります。また、チーム全体のスピードや成果にも影響を与えることも少なくありません。
「指示待ち」の状態から一歩踏み出し、タスク完了後に主体的に「次の一手」を考え、行動できるようになることは、あなたの市場価値を高めるだけでなく、チームへの貢献度を大きく引き上げることにも繋がります。これは、フォロワーシップを発揮する上でも非常に重要な要素となります。
本記事では、タスク完了後に指示を待つのではなく、自分自身で次に取るべき行動を見つけ出し、チームへの貢献に繋げるための考え方と具体的なステップを解説します。
なぜタスク完了後に「指示待ち」になってしまうのか
多くの方が、タスク完了後に指示を待ってしまう背景には、いくつかの理由が考えられます。
- 習慣: これまでの教育や経験から、指示を受けてから動くことが当たり前になっている。
- 失敗への恐れ: 自分で判断して動いた結果、間違っていたらどうしようという不安。
- 次に何をすべきか分からない: チーム全体の状況や、自分のタスクがどのように繋がっているかが見えていない。
- 役割の限定: 自分の役割は「与えられたタスクをこなすこと」だと限定的に捉えている。
これらの理由は自然なものですが、少し視点を変え、考え方や行動を工夫することで、状況を変えることができます。
タスク完了後の主体的な行動がもたらすもの
タスク完了後に自分から次の行動を探し、実行することは、あなた自身とチームに多くのメリットをもたらします。
- 個人の成長:
- 視野が広がる: チーム全体の目標や他のメンバーの状況に関心を持つようになります。
- 問題解決能力向上: 次に必要そうなことや、課題に気づき、解決策を考える習慣がつきます。
- 先読み力向上: チームの進行を予測し、次に必要となるであろう準備を進める力が養われます。
- チームへの貢献:
- 生産性向上: 指示待ちの時間を減らし、チーム全体のタスク進行を早めます。
- 支援: 困っているメンバーを助けたり、ボトルネックを解消したりできます。
- 信頼獲得: 主体的に動く姿勢は、上司や同僚からの信頼に繋がります。
- フォロワーシップの実践:
- フォロワーシップとは、単に指示に従うことではなく、チームやリーダーが目標達成できるように、自らの意思で貢献する姿勢です。タスク完了後の主体的な行動は、まさにこのフォロワーシップを実践する一歩となります。
具体的な行動ステップ:タスク完了後に「次の一手」を見つける方法
では、具体的にどのようにすれば、タスク完了後に指示を待たずに主体的な行動をとれるようになるのでしょうか。ここでは、実践しやすいステップをご紹介します。
ステップ1:完了したタスクを軽く振り返る
タスクが終わった直後に、少しだけ立ち止まって考えます。
- このタスクの目的は何だったか?
- どのような結果になったか?
- 何か課題や改善点はないか?
- このタスクから何を学んだか?
この振り返りは、単にタスクを終えたというだけでなく、「このタスクがチーム全体のどの部分に貢献したのか」を意識するために役立ちます。
ステップ2:チーム全体の目標や状況を確認する
自分のタスクが完了した時点で、チーム全体の状況を把握することを意識します。
- チームの現在の目標は何ですか?
- 他のメンバーはどのようなタスクを進めていますか?
- チーム全体の進捗はどうですか?
- 何か遅れている部分や、困っているメンバーはいませんか?
チームのKPT(Keep, Problem, Try)ボード、共有ドキュメント、プロジェクト管理ツール、最近の会議の議事録などを確認する習慣をつけると良いでしょう。これにより、自分のタスクが木の一枚の葉っぱではなく、森全体のどこに位置しているのかが見えてきます。
ステップ3:次に必要そうなこと、貢献できそうなことを考える
ステップ2で確認したチームの状況を踏まえて、「次に何が必要そうか」「自分に何ができそうか」を考えます。
- 完了したタスクに関連して、次に誰かが行うべき作業はないか? (例: 自分の作業結果を次の担当者に共有する、関連ドキュメントを更新する)
- チーム全体の目標達成のために、自分が貢献できそうなタスクはないか? (例: 手が空いているメンバーのタスクを手伝う、共通で使用する資料を整理する、次の会議の準備をする)
- 何か課題や改善点に気づいたことはないか? (例: 非効率な手順がある、分かりにくい資料がある → 改善提案を考える)
- 不明な点や確認すべき点はないか? (例: 次のタスクの仕様、他のチームとの連携について)
この段階では、壮大な計画を立てる必要はありません。「これが必要かもしれない」「もしかしたら役に立てるかも」といった小さな気づきで十分です。
ステップ4:小さな行動から試す
ステップ3で考えた「次の一手」候補の中から、まずは小さく行動してみます。
- 情報収集: 関係する資料を読んでみる、関連タスクの内容を確認する。
- 準備: 次のタスクで必要になりそうな情報を集めておく、簡単な調査を行う。
- 整理: 自分の作業成果や関連資料を整理しておく。
- 簡単な質問: 関係者に「〇〇はどのような状況ですか?」と尋ねてみる。
いきなり大きなタスクに取りかかるのではなく、まずは周囲の状況をより深く理解するための行動や、次のステップへの準備となるような行動から始めると、心理的なハードルが下がります。
ステップ5:周囲に相談・提案する
自分で考えた「次の一手」について、必要であれば上司や同僚に相談したり、提案したりします。
- 「〇〇のタスクが完了しました。チームの状況を確認したところ、次に△△が必要だと考えたのですが、こちらに着手しても良いでしょうか?」
- 「□□さんが少し忙しそうに見えたのですが、私にお手伝いできることはありますか?」
- 「△△について、少し気になった点があるのですが、少しお話しできますでしょうか?」
ここで重要なのは、指示を待つのではなく、自分から働きかけるという点です。自分で考えて行動しようとする姿勢は、必ず周囲に伝わります。もし提案した行動が適切でなかったとしても、そこから新たな指示やアドバイスを得ることができ、学びにつながります。
実践を助けるヒント
タスク完了後に主体的に動く習慣を身につけるために、日頃から意識しておきたいヒントです。
- チームメンバーと普段からコミュニケーションをとる: 雑談や簡単な状況確認など、日頃からコミュニケーションをとっておくと、お互いの状況を把握しやすくなります。
- 完璧を目指さない: 最初から完璧な「次の一手」を考える必要はありません。まずは「より良くするために何ができるか」という視点を持つことが大切です。
- 失敗を恐れない: 自分で考えて行動した結果、それがチームにとって最善ではなかったとしても、それは次に活かせる学びとなります。報告・連絡・相談を適切に行いながら挑戦しましょう。
- なぜこのタスクをするのか?を常に意識する: 自分の担当するタスクが、チーム全体の目標や顧客にどう繋がるのかを理解していると、次に必要な行動が見えやすくなります。
まとめ
タスク完了後に「次は何をすれば良いですか?」と指示を待ってしまう状態から、「次にこれをやってみよう」「チームのためにこれができそうだ」と主体的に考え、行動できるようになることは、フォロワーシップを発揮し、チームへの貢献を高める上で非常に重要な一歩です。
これは特別な才能が必要なことではありません。今回ご紹介した
- 完了したタスクを軽く振り返る
- チーム全体の目標や状況を確認する
- 次に必要そうなこと、貢献できそうなことを考える
- 小さな行動から試す
- 周囲に相談・提案する
という具体的なステップを、一つずつ、そして小さなことから試してみてください。
タスク完了後の少しの時間を、指示を待つ時間ではなく、主体的にチームへの貢献を考える時間に変えること。この意識の切り替えが、あなたの成長とチームの成果に確実に繋がっていきます。今日からぜひ、あなたの「次の一手」を自分で見つけて、チームに貢献する主体的なフォロワーシップを実践していきましょう。