毎日の習慣に!指示待ちから抜け出す主体的なフォロワーシップの実践
はじめに:なぜ「指示待ち」から抜け出したいのか
社会人として経験を積み重ねる中で、「指示されたことは問題なくできるけれど、自分から一歩踏み出すのは苦手」「次に何をすれば良いか分からず、つい指示を待ってしまう」と感じることは少なくないでしょう。特に、変化の速いIT業界などでは、状況に応じて柔軟かつ主体的に動くことが求められる場面が増えています。
指示を待つことは決して悪いことではありませんが、それだけではチームへの貢献度を高めたり、自身の成長を加速させたりすることには限界があるかもしれません。主体的に考え、行動するフォロワーシップを身につけることは、あなたのキャリアにとって非常に有益です。
しかし、主体的な行動を「特別なこと」と捉え、ハードルが高く感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。この記事では、主体性を一時的な頑張りではなく、日々の「習慣」として身につけることに焦点を当てます。今日から始められる小さなステップを通じて、指示待ちから自然と抜け出し、チームに貢献できる主体的なフォロワーとして成長していくヒントをお届けします。
主体的な行動を「習慣化」するメリット
主体的に行動することがなぜ重要なのか、そしてそれを習慣化することでどのようなメリットがあるのかを整理しておきましょう。
- チームへの貢献度向上: 指示を待つだけでなく、自分から課題を見つけたり、必要な情報を提供したりすることで、チーム全体の生産性や効率を高めることができます。フォロワーシップの定義の一つである「チーム目標達成への貢献」に直結します。
- 自身の成長促進: 自ら考えて動く過程で、問題解決能力や判断力が養われます。成功体験だけでなく、失敗から学ぶ機会も増え、着実にスキルアップに繋がります。
- 信頼関係の構築: 主体的に仕事に取り組む姿勢は、上司や同僚からの信頼を得ることに繋がります。「この人に任せれば大丈夫」という安心感は、より重要な仕事を任される機会を増やすでしょう。
- 仕事の満足度向上: 受け身ではなく、自らの意思で行動し、チームに貢献しているという実感は、仕事に対するモチベーションや満足度を高めます。
これらのメリットを享受するためには、主体的な行動を特別なことではなく、「当たり前の行動」として日々の業務に組み込んでいく、つまり「習慣化」することが効果的です。
指示待ちから抜け出し、主体性を習慣にするためのステップ
主体的な行動を習慣化するために、まずは小さなステップから取り組んでみましょう。以下に具体的なアプローチを紹介します。
ステップ1:日々の業務に「問い」を加える習慣をつける
指示を受けたり、タスクに取り組んだりする際に、一つか二つ、自分自身に問いかける習慣をつけましょう。
- 「このタスクの目的は何だろう?」
- 「この作業は誰に、どのように影響するだろう?」
- 「このタスクが終わったら、次に何が必要になるだろう?」
- 「何か懸念事項はないだろうか?」
これらの問いを習慣的に持つことで、指示の背景にある意図や、自分のタスクがチーム全体の中でどのような位置づけにあるのかを意識できるようになります。これは、次に取るべき主体的な行動を見つけ出すための基礎となります。
ステップ2:「報連相に+α」の習慣をつける
報告・連絡・相談はビジネスの基本ですが、これに主体的な要素を少し加える習慣をつけましょう。
- 報告時:「〜が完了しました。この結果から、次は〜が必要になると考えられます。取り組んでよろしいでしょうか?」のように、状況報告に加えて、そこから考えられる次のアクション提案や自分なりの見解を添える。
- 連絡時:「〜の件ですが、〇〇さんに影響があるかと思いますので共有します。何か考慮すべき点はありますでしょうか?」のように、単なる情報伝達だけでなく、情報の受け手への配慮や確認を促す。
- 相談時:「〜で悩んでいます。現状、A案とB案を考えましたが、それぞれのメリット・デメリットは〜だと思います。どちらが良いか、または他の方法がないかご意見をいただけないでしょうか?」のように、自分で考えた選択肢や分析結果を提示した上でアドバイスを求める。
このように、ほんの少し「自分の考え」や「次の予測」を加えることで、受け身の報連相から一歩進んだ主体的なコミュニケーションを習慣化できます。
ステップ3:タスク完了後に「次の一手」を考える習慣をつける
割り当てられたタスクが完了した際に、すぐに次の指示を待つのではなく、短い時間でも良いので「次に何をすべきか」を自分で考える習慣を持ちましょう。
- 完了したタスクの結果を整理する。
- 関連する別のタスクはないか確認する。
- 今回のタスクで得られた学びや気づきをメモする。
- 次に着手すべき優先度の高いタスクは何か、リストを確認する。
- チームメンバーで手伝えることはないか、周囲の状況に目を配る。
ここで重要なのは、必ずしも正解を見つける必要はなく、まずは「考える」という行為そのものを習慣にすることです。考えることで、チームの状況や全体の流れに対する意識が高まります。
ステップ4:「小さな成功」を意識する習慣をつける
主体的な行動を始めても、すぐに大きな成果が出るとは限りません。習慣化を継続するためには、小さな成功体験を積み重ね、自分自身を肯定的に評価することが重要です。
- 今日、指示を待たずに自分で考えて行動できたことを一つ見つけてみる。
- 報連相に+αを加えて、相手からポジティブな反応があった経験を思い出す。
- 自分で調べたり考えたりした結果、業務がスムーズに進んだ例を振り返る。
これらの小さな成功を意識的に認識することで、「主体的に動くと良いことがある」というポジティブなフィードバックが生まれ、次の行動への意欲に繋がります。
習慣化を続けるためのヒント
主体的な行動を習慣にするためには、継続が鍵となります。以下のヒントも参考にしてみてください。
- 完璧を目指さない: 最初から全ての業務で主体的に動く必要はありません。まずは週に一度、一日の始まりに「今日は一つ、自分で考えて行動する」と決めるなど、無理のない範囲で始めましょう。
- 記録をつける: どのような時に主体的な行動ができたか、どのような気づきがあったかを簡単にメモしておくと、自身の変化を可視化でき、モチベーション維持に役立ちます。
- 周囲に相談・共有する: 信頼できる同僚や上司に、「もっと主体的に動けるようになりたい」「こういうことを意識し始めた」と話してみるのも良いでしょう。フィードバックやアドバイスをもらえる可能性があります。
まとめ
「指示待ちから卒業し、主体的なフォロワーシップを発揮したい」という思いは、あなたの成長とチームへの貢献への第一歩です。しかし、主体的な行動は特別なスキルではなく、日々の業務の中で意識し、実践することで誰もが身につけられる「習慣」です。
今回ご紹介した「問いを加える」「報連相に+α」「タスク完了後の次の一手」「小さな成功を意識する」といったステップは、どれも今日から始められる小さな習慣です。これらの習慣を少しずつでも取り入れることで、あなたは自然と周囲の状況を把握し、チーム全体のことを考え、自律的に行動できるようになっていくでしょう。
習慣化は一朝一夕には難しいかもしれませんが、小さな一歩を継続することが、確実な変化に繋がります。焦らず、楽しみながら、あなたらしい主体的な行動を習慣にしていってください。応援しています。