主体性はじめの一歩

「頼まれた仕事」をチームへの貢献機会に変える主体的なフォロワーシップ

Tags: フォロワーシップ, 主体性, チーム貢献, タスク対応, 報連相

はじめに

日々の業務の中で、上司や同僚から様々な「頼まれごと」をされる機会があるかと思います。それは小さな調べものかもしれませんし、他の人が抱えているタスクの一部を手伝うことかもしれません。こうした頼まれごとに対して、「指示通りにこなすのが自分の役割だ」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、依頼された内容を正確に実行することは重要です。しかし、一歩進んで「頼まれた仕事」を主体的に捉え直すことで、単なるタスク消化ではなく、チームへの貢献や自身の成長に繋がる大きな機会に変えることができるのです。

この記事では、「頼まれた仕事」を指示待ちではなく、主体的なフォロワーシップを発揮する絶好の機会と捉え、どのように行動すればチームへより貢献できるのか、具体的なステップとヒントをご紹介します。

なぜ「頼まれた仕事」への主体的な対応が重要なのか

「頼まれた仕事」への主体的な対応は、以下のような点でチームやあなた自身にとって価値があります。

  1. チームへの貢献機会の拡大 指示以外の依頼は、チームの現在の状況や課題を反映していることが多いものです。主体的に対応することで、他のメンバーが抱える負荷を軽減したり、チーム全体の目標達成に必要なピースを補ったりと、直接的な貢献に繋がります。

  2. 信頼関係の構築 ただ言われたことだけをやるのではなく、依頼の意図を汲み取り、期待以上の結果を出そうと努める姿勢は、周囲からの信頼を得ることに繋がります。この信頼は、より重要な仕事を任されたり、建設的な協力関係を築いたりするための基盤となります。

  3. 自身の視野とスキルの拡大 頼まれごとは、普段自分が関わらない業務や領域に触れる機会となることがあります。主体的に取り組む過程で、新しい知識やスキルを習得したり、チーム全体の動きや他のメンバーの役割について理解を深めたりすることができます。これは、自身の市場価値を高めることにも繋がるでしょう。

「頼まれた仕事」を貢献機会に変える具体的なステップ

では、実際に頼まれごとをどのように主体的な貢献機会に変えていくのでしょうか。以下に具体的なステップと行動例をご紹介します。

ステップ1:依頼の「背景」と「目的」を理解する

依頼内容そのものだけでなく、なぜその依頼が発生したのか、その背景や最終的に何を目指しているのかを理解しようと努めます。これにより、単なる作業としてではなく、より大きな文脈の中で自分の役割を把握できます。

ステップ2:期待される「アウトプット」を確認する

どのような形式で、どのレベルの品質で、いつまでに提出や報告をすれば良いのか、期待されるアウトプットのイメージを具体的に確認します。これにより、手戻りを減らし、依頼者の期待に応えるための計画を立てやすくなります。

ステップ3:必要な情報を自ら収集・整理する

依頼内容を遂行するために必要な情報は、すべてが依頼時に提供されるとは限りません。関連するドキュメントを探したり、過去の類似事例を調べたり、必要であれば他の関係者に協力を仰いだりと、主体的に情報収集を行います。

ステップ4:進捗を主体的に報告・相談する(報連相+α)

依頼されたら、放っておかずに適切なタイミングで進捗を報告します。「今どこまで進んでいるか」「次に何をしようとしているか」「何か問題はないか」を共有することで、依頼者は状況を把握でき、必要なサポートをしやすくなります。また、不明点や判断に迷うことがあれば、抱え込まずに早期に相談します。

ステップ5:完了報告に「次の一手」や「気づき」を加える

依頼されたタスクが完了したら、単に「終わりました」と報告するだけでなく、その結果を踏まえて考えられる「次の一手」や、作業を通じて得られた「気づき」を添えて報告します。これは、依頼の目的達成に向けてさらに貢献できる可能性を探る行為であり、依頼者もその後のアクションを検討しやすくなります。

注意点:キャパシティと優先順位も主体的に管理する

主体的な対応は重要ですが、すべての頼まれごとを無条件に引き受けることが常に最善とは限りません。既に多くのタスクを抱えている場合や、依頼内容が自身の能力やチームの目標と大きくかけ離れている場合は、安請け合いせず、自分の状況を正直に伝え、調整や相談を行うことも主体性の一部です。自分のキャパシティやチーム全体の優先順位を踏まえ、最も貢献できる方法を選択する判断力も養っていきましょう。

まとめ

「頼まれた仕事」は、単なる指示待ちから一歩踏み出し、主体的なフォロワーシップを発揮するための身近で実践しやすい機会です。依頼の背景・目的理解から始まり、期待値の確認、主体的な情報収集、報連相への工夫、そして完了報告に次の視点を加えるといったステップを踏むことで、単なるタスクの実行者から、チームの成果に積極的に貢献するメンバーへと変わっていくことができます。

小さな頼まれごとからで構いません。今日から一つ、ご紹介したステップの中のどれかを意識して取り組んでみてください。あなたの主体的な一歩が、チーム全体の力となり、あなた自身の確かな成長へと繋がっていくはずです。