主体性はじめの一歩

自分のアイデアをチームに活かす！発信する主体性の磨き方

若手ビジネスパーソンとして日々の業務に取り組む中で、指示されたことはきちんとこなせるものの、「自分から何かを発信する」ことに難しさを感じていませんか。会議で発言する機会があっても、何を言えば良いか分からなかったり、自分の意見に自信が持てなかったりするかもしれません。

しかし、指示を待つだけでなく、自らの意見やアイデアをチームに共有することは、主体的なフォロワーシップを発揮し、チーム全体の成果を高める上で非常に重要です。この記事では、なぜ意見やアイデアの発信が重要なのか、そしてそれを実践するための具体的なステップや心構えについて解説します。

なぜ意見やアイデアの発信が重要なのか

主体的なフォロワーシップとは、リーダーを補佐し、チームの目標達成に貢献するために、指示を待つだけでなく自律的に行動することです。この主体的な行動の一つに、自分の意見やアイデアの発信があります。

• チームの成果向上への貢献: あなたの持つ独自の視点や気づきは、チームが見落としている課題の解決策や、業務効率化のためのアイデアとなる可能性があります。こうした発信は、チーム全体の生産性や品質向上に直接的に貢献します。
• 新しい視点の提供: チーム内で当たり前となっている考え方や進め方に対して、新鮮な視点を提供できます。これにより、議論が活性化されたり、より良い方法が見つかったりすることがあります。
• 自身の成長: 自分の考えを言語化し、他者に伝えるプロセスを通じて、思考力や表現力が鍛えられます。また、建設的なフィードバックを得ることで、自身の理解を深め、視座を高める機会にもなります。

単に指示通りに動くだけでなく、自分の頭で考え、チームに良い影響を与えようとする姿勢こそが、質の高いフォロワーシップと言えるでしょう。

意見やアイデアを持つためのヒント

「そもそも、特に意見やアイデアが思いつかない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、それは特別な才能ではなく、日々の習慣や意識から生まれるものです。

1. 「なぜ？」を問いかける習慣を持つ: 今取り組んでいる業務やチームのルールについて、「なぜこのやり方なのだろう」「もっと効率の良い方法はないだろうか」と常に疑問を持つようにします。当たり前を疑う視点が、改善のアイデアに繋がります。

2. インプットを増やす: 担当業務だけでなく、関連分野の最新情報や、他のチーム・会社の事例などを積極的に収集します。多様な情報に触れることで、既存のやり方にとらわれない新しい発想が生まれやすくなります。

3. 思考プロセスを言語化・メモ化する: 業務中に気づいたこと、思いついた改善案などを、すぐにメモを取る習慣をつけましょう。完璧な形になっていなくても構いません。書き出すことで考えが整理され、具体的な提案へと繋がります。

意見やアイデアを具体的に発信するステップ

考えたことや気づきをチームに共有する際には、いくつか意識したいステップがあります。

1. 共有する相手と目的を明確にする: その意見やアイデアは、誰に伝えれば最も有効でしょうか。上司、先輩、同僚、あるいはチーム全体でしょうか。また、それを伝えることで何を期待するのか（情報共有、相談、提案、改善の承認など）を整理しておきましょう。

2. 意見やアイデアの背景・根拠を整理する: なぜあなたはそう考えたのか、どのような課題意識があるのか、そのアイデアを実行することでどのようなメリットがあるのかを具体的に整理します。「なんとなく」ではなく、「〇〇という理由で、△△というメリットがあると考えます」のように、論理的に説明できるよう準備します。必要であれば、簡単なデータや資料を添えることも有効です。

3. 伝え方を工夫する: 相手が理解しやすいように、結論から話す、簡潔に要点をまとめる、専門用語を避け平易な言葉で説明するといった工夫をします。また、提案の際は「～してみてはいかがでしょうか」「～という選択肢もあるかと思います」のように、断定せず、チームで検討する余地を持たせる丁寧な表現を心がけると良いでしょう。建設的なトーンで話すことが信頼関係を築く上で重要です。

4. フィードバックを受け入れる姿勢を持つ: 発信した意見やアイデアが、必ずしもすぐに採用されたり、賛同されたりするとは限りません。大切なのは、それに対するフィードバックを真摯に受け止め、対話を通じてより良い形にしていく姿勢です。チームメンバーからの異なる意見や懸念点を聞くことで、自分の考えが深まったり、新たな改善点が見つかったりします。

発信を続ける上での心構え

最初から完璧を目指す必要はありません。小さなことから、できる範囲で始めてみましょう。

• まずは日々の業務報告に「〇〇について、こうすればもっと良くなるかもしれません」といった一言を添える。
• チームのチャットで、役立ちそうな情報や気づきを共有してみる。
• 1on1などの機会に、抱えている課題やそれに対する自分の考えを相談してみる。

また、他のメンバーの意見にも耳を傾け、尊重する姿勢を持つことも重要です。一方的に自分の意見を主張するのではなく、チーム全体の知恵を結集しようという意識を持つことで、あなたの発信はより受け入れられやすくなるでしょう。

まとめ

自分の意見やアイデアを発信することは、主体的なフォロワーシップを実践するための強力な一歩です。それは、指示待ちの状態から脱却し、チームの一員として積極的に貢献していく姿勢を示すことでもあります。

最初は難しさや戸惑いを感じるかもしれませんが、日々の小さな「なぜ？」から始め、考えを整理し、建設的な方法で伝えていく練習を積むことで、きっと発信する力は磨かれていきます。あなたの声が、チームをより良い方向へ導くきっかけとなる可能性は十分にあります。

恐れずに、あなたの一歩を踏み出してみてください。その主体的な姿勢が、あなた自身の成長、そしてチーム全体の成功へと繋がっていくはずです。