問題発生時こそ真価を発揮!チームを支える主体的なフォロワーシップ
はじめに
日々の業務は順調に進むばかりではありません。予期せぬ問題が発生したり、計画通りに進まなくなったりすることは多々あります。特に経験が浅い時期には、問題発生時にどう動けば良いか分からず、指示を待ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、問題が発生した時こそ、フォロワーシップの真価が問われる場面です。チームが困難な状況にある時、単に指示を待つだけでなく、主体的に考え行動することで、チームを立て直し、早期解決に貢献することができます。これは、あなた自身の成長に繋がるだけでなく、チームからの信頼を得る絶好の機会でもあります。
この記事では、問題発生時という「ピンチ」を「チャンス」に変えるために、若手ビジネスパーソンがどのような心構えで、具体的にどのような行動をとれば良いのか、主体的なフォロワーシップの観点から解説します。
なぜ問題発生時に主体性が重要なのか
順調な時は、決められた役割を果たすことである程度貢献できます。しかし、問題が発生し、計画が崩れた状況では、既存の指示だけでは対応しきれないことがほとんどです。このような時、メンバー一人ひとりが状況を把握し、自ら考え、チーム全体の解決に向けて動く必要があります。
ここで主体的なフォロワーシップを発揮できる人は、リーダーの負担を軽減し、チームの対応力を高める重要な存在となります。問題の状況は刻一刻と変化するため、一人ひとりが能動的に情報を収集し、共有し、自分にできることを見つけて行動することで、問題解決のスピードと質が格段に向上します。
問題発生時に取るべき主体的な行動ステップ
では、具体的にどのような行動を取れば良いのでしょうか。以下に、問題発生時に若手ビジネスパーソンができる主体的な行動ステップをいくつかご紹介します。
1. パニックにならず、まずは事実確認に努める
問題が発生したという報告を聞いたり、異変に気づいたりしたとき、動揺するのは自然なことです。しかし、感情的にならず、まずは冷静に何が起こっているのか、客観的な事実を確認することに集中しましょう。
- 状況を正確に把握する: いつ、どこで、何が、どのようにして発生したのか。現在の状況はどうなっているのか。
- 影響範囲を特定する: その問題はどこまで影響を及ぼしているのか。どの範囲の関係者に影響があるのか。
- 不確かな情報を鵜呑みにしない: 憶測や伝聞ではなく、証拠に基づいた情報を集めるように心がけましょう。
この最初の事実確認が、その後の対応の正確性を左右します。リーダーや他のメンバーも情報収集に追われている可能性があるため、自分自身で冷静に状況を整理しようとする姿勢が重要です。
2. 迅速かつ正確な情報共有を心がける
確認できた事実や状況は、速やかにチーム内で共有することが不可欠です。特に問題発生時は情報が錯綜しやすいため、正確な情報をタイムリーに共有することが、チーム全体の迅速な判断と対応を可能にします。
- 分かっている情報を整理して報告する: 自分が把握した事実、確認中の事項、不明な点を明確に区別して報告します。
- 関係者に必要な情報を共有する: 問題に関連する可能性のあるメンバーには、積極的に情報を共有し、注意を促します。
- 情報共有の頻度を上げる: 問題が収束するまでは、普段よりもこまめに状況を共有し、チームの状態を把握できるようにします。
単に指示を待つだけでなく、「この情報はチームにとって必要だろう」と先回りして考え、共有する姿勢は、まさに主体的なフォロワーシップの表れです。
3. 自分にできることを考え、貢献を提案する
問題発生時には、チーム全体のタスクが増加し、リーダーやベテランメンバーがコアな問題解決に集中する必要があります。このような状況で、「自分に何かできることはありますか」と尋ねるだけでなく、自分自身のスキルや立場から何が貢献できるかを具体的に考え、提案してみましょう。
- 自分の得意なことや過去の経験を活かす: 例えば、特定のツールに詳しい、過去に似たようなトラブル対応をしたことがある、ドキュメント作成が得意など、自分の強みを問題解決にどう活かせるかを考えます。
- 地味でも不可欠なタスクに目を向ける: 情報の整理、関連部署への連絡調整、テストデータの作成、代替案の調査など、問題解決の周辺にあるが不可欠なタスクを見つけ、引き受ける意思表示をします。
- 具体的な行動として提案する: 「〇〇の件、私が情報収集して〇〇さんにお伝えしましょうか」「△△の影響範囲について、××のデータを確認してみます」のように、具体的な行動として提案することで、チームはスムーズにあなたにタスクを任せやすくなります。
自ら貢献の道を探し、行動することで、あなたは単なる指示待ちのメンバーではなく、チームを支える重要な一員となります。
4. 解決策の検討に積極的に参加する
チームで問題の根本原因を探り、解決策を検討する場では、積極的に参加することが重要です。たとえ経験が浅くても、異なる視点や率直な疑問は、意外な突破口になることがあります。
- 積極的に質問する: 分からないことや疑問点をそのままにせず、質問することで理解を深めます。あなたの疑問が、他のメンバーにとっても不明瞭だった点である可能性もあります。
- 考えを整理し、意見として発信する: 自分の考えや、収集した情報から得られた示唆を、臆せず発言してみましょう。解決策に直接繋がらなくても、議論の活性化や新たな視点を提供できるかもしれません。
- 議論された内容や決定事項を正確にメモし、共有する: 議論の議事録を作成したり、決定事項をチャットで共有したりすることで、チーム全体の認識齟齬を防ぎ、その後の行動をスムーズにします。
受身ではなく、議論に積極的に関わることで、問題解決プロセスへの理解が深まり、より効果的な貢献ができるようになります。
5. 状況の変化に合わせて柔軟に対応する
問題発生時の状況は常に変化します。当初の計画がうまくいかなかったり、新たな問題が見つかったりすることもあります。このような変化に対して、指示を待つだけでなく、柔軟に対応する姿勢が求められます。
- 最新の情報を常に確認する: チーム内で共有される最新の情報を確認し、現在の状況を正確に把握します。
- 自分のタスクの優先順位を見直す: 問題対応の状況に合わせて、自分のタスクの優先順位が変わる可能性を理解し、必要に応じてリーダーや関係者と確認します。
- 求められる役割の変化に対応する: 状況に応じて、当初割り当てられたタスクとは異なる役割やタスクが求められることがあります。そのような時でも、「チームのために何が必要か」を考え、柔軟に対応します。
変化への適応力は、困難な状況を乗り越える上で非常に重要なスキルです。
まとめ
問題発生時は、誰にとってもストレスのかかる状況です。しかし、このような時こそ、若手ビジネスパーソンが主体的なフォロワーシップを発揮し、チームへの貢献を実感できる大きなチャンスでもあります。
単に指示を待つのではなく、冷静に状況を把握し、正確な情報を共有し、自分にできることを考え提案し、議論に積極的に参加し、変化に柔軟に対応する。これらの行動は、一見地味に思えるかもしれませんが、チームが困難を乗り越える上で不可欠な要素です。
問題発生時という経験を通じて、あなたはビジネスパーソンとして大きく成長することができます。そして、困難な状況でチームを支えるあなたの主体的な行動は、必ず周囲からの信頼に繋がります。「問題が起きたら、自分がチームのために何ができるか考えよう」という意識を持つことから、今日一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。