チームの雰囲気改善に貢献!主体的なフォロワーシップの始め方
「指示されたことはきちんとこなしているはずなのに、何だかチームの雰囲気が重い気がする…」「自分には直接関係ないかもしれないけれど、チームがもっと活気付くにはどうしたら良いのだろうか?」
日々の業務を一生懸命に進める中で、このように感じたことはありませんか。特にチームで働くことが多いITエンジニアなどの職種では、個人の能力だけでなく、チーム全体の協力体制や雰囲気がプロジェクトの成功を大きく左右することをご存知かもしれません。
ですが、具体的に「チームの雰囲気」に対して、新人や若手の自分がどう関われば良いのか、そもそも関わるべきなのか、戸惑うこともあるかと思います。
この記事では、主体的なフォロワーシップの視点から、チームの雰囲気改善に貢献するための第一歩を踏み出すためのヒントをお伝えします。指示を待つだけでなく、チームのために何ができるか考え、行動に移すことで、あなたの仕事がより有意義なものとなり、チーム全体の成果にも繋がります。
なぜ、チームの雰囲気が大切なのか?フォロワーシップとの関係性
まず、なぜチームの雰囲気が大切なのでしょうか。単に居心地が良いだけでなく、チームの雰囲気は仕事の効率や質に直結する重要な要素です。
- コミュニケーションの活性化: 良い雰囲気のチームでは、質問や相談がしやすく、情報共有が円滑になります。
- 心理的安全性の向上: 意見を自由に発言できる、失敗を恐れずに挑戦できる環境が生まれます。
- モチベーション維持: お互いを認め合い、助け合う文化は、個々のメンバーのやる気を高めます。
これらの要素は、まさに主体的なフォロワーシップが目指す「チームへの積極的な貢献」と深く関わっています。指示を待つだけでなく、チーム全体の状況を良くしようと自ら働きかけることは、リーダーを「支える」だけでなく、チーム全体のパフォーマンスを「高める」フォロワーシップの実践と言えます。
では、具体的にどのような行動から始められるでしょうか。
チームの雰囲気に主体的に関わる具体的なステップ
「チームの雰囲気を改善する」と聞くと、大げさに聞こえるかもしれませんが、実は日々の小さな行動の積み重ねから始まります。新人や若手の方でも実践できる、具体的なステップをご紹介します。
ステップ1: チームの状況を「観察」する
主体的な行動の第一歩は、周囲への「気づき」です。チームメンバーの様子や、普段のコミュニケーションに意識を向けてみましょう。
- 会議やミーティングでの発言頻度はどうでしょうか?
- 休憩時間やちょっとした合間に、雑談や声かけはありますか?
- 特定のメンバーが困っている様子はありませんか?
- 普段使われている言葉遣いや、表情はどうでしょうか?
これらの観察を通して、チームの「温度感」や、どのような時にメンバーが活発になるのか、あるいは逆に沈んでしまうのか、といった傾向を掴むことができます。
ステップ2: 小さな「声かけ」から始める
観察から得た気づきをもとに、次は自分から小さく働きかけてみましょう。難しく考える必要はありません。
- 朝、出社・ログインした際に「おはようございます」に加えて「〇〇さん、今日の天気予報見ましたか?結構暑いみたいですね」のような一言を添えてみる。
- 休憩中に「少し休憩しましょうか?」と声をかけてみる。
- 簡単な質問や、相手の話題に興味を持って耳を傾けてみる。
- 感謝の気持ちを言葉で伝える。「〇〇さんの資料、とても分かりやすかったです。ありがとうございました」など。
これらの小さな声かけは、コミュニケーションのきっかけを作り、チーム内の心理的な距離を縮める効果があります。無理に明るく振る舞う必要はありません。自然体で、できることから始めてみましょう。
ステップ3: 「貢献できる点」を探して行動する
チームの雰囲気は、お互いの助け合いによっても作られます。直接的なタスクだけでなく、間接的にチームをサポートできる点がないか探してみましょう。
- 誰かが資料を探しているようだったら、「〇〇の資料なら、このフォルダにあるかもしれません」と教えてあげる。
- 簡単な手順やツールの使い方を知っているなら、困っている人に優しく教えてあげる。
- 会議中に、誰かの発言の意図が明確でない場合、自分の理解を確認する形で「つまり、〇〇ということでしょうか?」と問いかけ、議論を整理する手助けをする。
- チームで共有されている情報(議事録、チャットのやり取りなど)をこまめにチェックし、自分の担当外でも関連する情報があれば、担当者に伝えてみる。
これらは、必ずしも難しいスキルや知識が必要な行動ではありません。「何か自分にできることはないか」という主体的な視点を持つことが大切です。
ステップ4: ポジティブな「発言と行動」を意識する
チームの雰囲気は、そこで交わされる言葉や行動に大きく影響されます。意識的にポジティブな要素を増やしてみましょう。
- ネガティブな愚痴や批判を必要以上に繰り返さないように気をつける。
- チームメンバーの成功や努力に対して、称賛や励ましの言葉をかける。「〇〇さん、この間の発表、すごく分かりやすかったです!」など。
- 困難な状況でも、改善策や前向きな見通しについて発言する。
- チームの成功や良いニュースを積極的に共有する。
ポジティブな姿勢は伝染します。あなたの小さなポジティブな働きかけが、チーム全体の雰囲気を明るくするきっかけになる可能性があります。
ステップ5: 「フィードバック」を通じて関係性を深める
チームの雰囲気改善には、お互いの理解を深めるフィードバックも有効です。
- 相手の良い行動や、感謝している点を具体的に伝える。「〇〇さんが毎日必ず挨拶してくれるので、朝から気持ちが良いです」など。
- 自分の行動に対して、チームメンバーに「私の〇〇について、何か気づいた点やアドバイスがあれば教えていただけますか?」と尋ねてみる。
ただし、フィードバックはデリケートな側面もあります。相手への配慮を忘れず、建設的な内容を心がけましょう。まずはポジティブなフィードバックから始めるのがおすすめです。
始める上での注意点とヒント
これらのステップを実践する上で、いくつか注意しておきたい点があります。
- 無理はしない: 一度に全てを完璧にこなそうとせず、自分ができることから、小さな一歩から始めてください。
- 自然体でいる: 偽りの自分を演じる必要はありません。あなたの誠実な気持ちが伝わることが最も大切です。
- 相手の反応を観察する: 声かけや働きかけに対する相手の反応を見ながら、コミュニケーションの仕方や頻度を調整しましょう。
- 継続を意識する: チームの雰囲気は一朝一夕に変わるものではありません。すぐに大きな変化が見られなくても、継続することが重要です。
まとめ:あなたの「一歩」がチームを動かす
チームの雰囲気改善に主体的に関わることは、単に「良い人」になることではありません。それは、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献する、主体的なフォロワーシップの重要な実践の一つです。
今回ご紹介した「観察する」「声かけをする」「貢献できる点を探す」「ポジティブな発言と行動を意識する」「フィードバックを通じて関係性を深める」といったステップは、どれも今日から意識できる小さな行動ばかりです。
指示を待つだけでなく、チームのために何ができるかを考え、あなた自身のポジティブなエネルギーをチームに持ち込んでみてください。あなたのその小さな一歩が、チーム全体の雰囲気を温め、より良い成果に繋がる確かな力となるはずです。主体的なフォロワーシップの実践を通して、チームの一員として輝き、貢献する喜びをぜひ感じていただければと思います。