主体性はじめの一歩

「分かりました」で終わらない。指示の意図を理解して貢献するフォロワーシップ

Tags: フォロワーシップ, 主体性, 指示理解, コミュニケーション, 若手ビジネスパーソン, チーム貢献

社会人として、上司やチームメンバーからの指示に対して「分かりました」と返事し、言われた通りにタスクをこなすことは基本的なスキルです。しかし、それだけで終わってしまうと、任された仕事の全体像が見えにくくなったり、予期せぬ問題に直面した際にどう判断すれば良いか迷ったりすることが増えるかもしれません。

指示された内容をただ実行するだけでなく、その「意図」「背景」を理解しようと努めることは、主体的なフォロワーシップを発揮する上で非常に重要です。なぜなら、意図を理解することで、単なる作業者ではなく、チームの目標達成に向けて自律的に考え、行動できるようになるからです。

この記事では、「分かりました」の次の一歩として、指示の意図を効果的に理解し、それを自身の主体的な貢献に繋げるための具体的な方法についてご紹介します。

なぜ指示の意図理解が主体性につながるのか

指示の意図を理解することには、いくつかの重要なメリットがあります。

指示の意図を理解するための具体的なステップ

では、どのようにすれば指示の意図を効果的に理解できるようになるのでしょうか。ここでは、日々の業務で実践できる具体的なステップをご紹介します。

ステップ1: 指示の「目的」を確認する習慣を持つ

指示を受けた際に、「このタスクは何のために行うのでしょうか?」「最終的にどういった状態を目指していますか?」といった目的を確認する習慣を持ちましょう。目的が明確になることで、タスクの重要性や他のタスクとの関連性が理解しやすくなります。

ステップ2: 指示の「背景」や「前提」を尋ねてみる

可能であれば、そのタスクが生まれた背景や、なぜ今その対応が必要なのかといった点についても質問してみましょう。また、「〇〇という前提で進めて問題ないでしょうか?」のように、自分が理解している前提条件が合っているかを確認することも重要です。これにより、指示の裏にある状況や課題を把握できます。

ステップ3: 不明点をそのままにしない

指示内容に少しでも不明点や曖昧な部分がある場合は、必ず確認しましょう。曖昧なまま進めてしまうと、後戻りが発生したり、意図と異なる成果になってしまったりするリスクがあります。「この部分について、もう少し具体的に教えていただけますか?」「これは〇〇という理解で合っていますでしょうか?」のように、遠慮せずに質問することが大切です。

ステップ4: 自分の言葉で要約して確認する

指示の目的や背景、不明点を確認した後、自分が理解した内容を相手に伝えてみましょう。「つまり、〇〇という目的のために、△△という背景から、このタスクを◎◎という手順で行う、という理解で合っていますでしょうか?」のように、自分の言葉で要約して確認することで、誤解がないかを確認できます。これは相手に安心感を与える効果もあります。

ステップ5: タスクの「次」を意識する

任されたタスクが完了した後、次に何に繋がるのか、他の誰かの作業の前提となるのか、といった「次」を意識してみましょう。そして、必要であればその点も確認します。タスク単体だけでなく、チーム全体のワークフローの中での自分の役割を理解することで、完了報告の仕方や次の準備など、主体的な行動に繋がりやすくなります。

実践時のポイントと注意点

指示の意図を理解しようとする姿勢は大切ですが、いくつか実践上のポイントと注意点があります。

まとめ

指示に対して「分かりました」と返事することは始まりであり、終わりではありません。その言葉の次に、指示の「意図」「背景」を理解しようと努めることこそが、主体的なフォロワーシップの第一歩となります。

目的や背景を理解することで、タスクの質を高め、予期せぬ状況にも柔軟に対応できるようになり、そして何よりも、自分の仕事がチームや組織にどう貢献しているのかを実感できるようになります。これは、あなた自身の成長とやりがいにも直結することでしょう。

今回ご紹介したステップは、特別なことではありません。日々のコミュニケーションの中で、少し意識を変えるだけで実践できることばかりです。今日からでも、一つでも良いので意識して取り組んでみてください。指示の意図を理解しようとするあなたの主体的な姿勢は、必ずチームへの信頼と貢献へと繋がっていくはずです。